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心の筋トレ

[Part1]オヤジに似合わぬ純情

スカトー寺の修行場で歩行瞑想中の筆者

だけど、現実はやっぱり甘くない。次の日も一日中歩行瞑想に取り組んだものの、気持ちよくなることもなく、再び焦りや不安が心を覆った。プラユキ師匠からも「瞑想の目的は心地よさを味わうことではない」「足に意識を集中するだけではなく、その時に浮かんだ自分の思いも観察して」という注意を受ける始末。どうやって瞑想を続けたらよいのか、すっかり自信を失ってしまった。


私はその夜、苦し紛れにそれまでの自分を振り返った。そこで気づいたのは、毎晩他の修行者たちの話を聞き、語り合うことが、瞑想以上に楽しく充実したひとときになっていたことだ。


タケシは、ネガティブなことについて際限なく考え込んだり、他人の話がまったく頭に入らなかったりしていたが、手動瞑想を続けることで精神的にだいぶ楽になったという。最初は他の修行者たちを警戒していたそうだが、年上のオッチャンオバチャンからかわいがられ、寺を発つ前には「日本に戻ってからもここで出会った人たちとつながっていたい」と涙ぐむほど深い関係を築いていた。


当初は張り詰めた雰囲気だった中年の女性ユキエ(仮名)も、滞在の終盤には見違えるほど柔らかい笑顔を見せるようになった。「自分の弱みは誰にも見せられない、と思い詰めていたが、それが変わってきた。毎晩のようにみんなの話が深まり、色々な話が全部自分の滋養になる、という予想外のうれしさを味わった」と話した。



人間関係を見つめ直す


私自身、他の修行者たちが良い方向に変わっていくのを、いつの間にか我がことのように素直に喜び、応援できるようになっていた。そんな思いはとっくの昔に忘れていたはずなのに……。

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