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心の筋トレ

[Part1]「タラレバ」におさらば?

「ウィズダム2.0」の参加者の大半は、気さくで、見知らぬ私にも笑顔で語りかけてくれた
photo:Suzuki Kaori

「タラレバばかり言ってたらこんな歳になってしまった」


テレビドラマ化もされた漫画『東京タラレバ娘』(東村アキコ作)は、こんな切ない言葉で始まる。


「タラレバ」とは、「もしもこんなことになってしまっ『たら』どうしよう」という未来への不安や、「あの時、ああしてい『れば』こんなことにはならなかったのに」という過去への悔恨に苦しめられる心の状態だ。


漫画の主人公は結婚をあせる33歳の女性だけど、この言葉は52歳のヒラ記者である今の私にもぴったりとあてはまるから、嫌になってしまう。「もっと職場の人間関係に気を配ってい『れば』、少しは出世できただろうに」「このまま歳を取っ『たら』、人生後悔の塊で終わってしまうんじゃないの」。一見、コワモテのオヤジ記者=私の内面には、かくも情けない思いが渦巻いているのだ。


だが、これ以上「タラレバ」を繰り返している余裕はない。何とかして、自分自身を変えなければ……。


そんな中、耳に飛び込んできたのが、米国・シリコンバレーで一大ムーブメントになっている「マインドフルネス」という瞑想主体の心の訓練法。東南アジアの上座部仏教やブッダ自身の教えがルーツという。



元グーグルのエンジニアが説く成功への道


元グーグルのエンジニアで、マインドフルネスの研修プログラムを開発したチャディー・メン・タン(46)の著書『サーチ・インサイド・ユアセルフ』によれば、マインドフルネスの実践で意のままに心を鎮められ、集中力や創造性が向上し、成功への道が開けるそうだ。


良いことずくめで「ホントかよ!」と突っ込みたくなるものの、魅惑的な惹句であることも否定できない。


マインドフルネスは「今、ここへの注意力」という「心の筋肉」を鍛えるトレーニングらしい。要するに「心の筋トレ」「心のライザップ」か! 勝手にそう解釈した私は、思い切ってマインドフルネスの世界に飛び込んでみることにした。果たしてオヤジ記者は心の筋トレ、修行を通じて「タラレバ思考」とおさらばできるのか。


毒舌癖のある後輩記者にマインドフルネスへの挑戦を得々と語ると「太田さんが変わることを、心の底から願っていますよ」という皮肉たっぷりの答えが返ってきた。要するに「これ以上面倒くさいオヤジのままでいられたら、こっちはたまったもんじゃない」と言いたいのだ。


くっそー、今に見ていろよ!



(太田啓之)

(文中敬称略)

「君の脳は鍛えられる」に続く)



おおた・ひろゆき

社会保障やオピニオン報道を担当し、2015年からGLOBE記者




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