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国境を越える電力

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[Part5]再生エネと相互依存を加速/村山祐介(GLOBE記者)



アンホルト洋上風力発電所
photo:Murayama Yusuke

時代のニーズと技術の進歩で、電力網はかつてない力をまとっている。


その最大のインパクトは、風と水、光といった再生エネを広域に結びつけて、発電の「大黒柱」になる道を開いたことだろう。多彩なエネルギーが広いネットワーク内に共存することで、互いの強みを生かし、弱点を補い合う仕組みができ始めた。遠く離れた地域と送電網で結びつけば、大規模災害や大事故といった有事に助け合うこともできる。


一方向に運ばれる原油や天然ガスと違い、電力は一日の間ですら、輸出入が何度も入れ替わる。ひとたび送電線で結ばれた国々は相互依存関係がぐっと強まる。統合が進む欧州で先行したのは自然な流れで、デンマークでは「隣国を信頼しないと利益が得られない」とも聞いた。


ただ、電力網は社会の根幹を支え、安全保障にも直結する基幹インフラだ。相手国との信頼が失われれば、逆に「つながっていること」がリスクとなる。隣国で起きた災害やサイバー攻撃が、大停電となって国境を越えて押し寄せる危険もある。


表舞台に姿を見せた新しい時代の電力網とどう向き合うか。それは周辺国や周辺地域との関係を見つめ直すことに近い。世界も、日本も問われている。



取材にあたった記者

村山祐介(むらやま・ゆうすけ)

1971年生まれ。ドバイ支局長、経済産業省担当などを経てGLOBE記者。電気の現場は、雪の山中や氷点下の海原、山奥の大河など険しい自然ばかり。電気の安定供給を担う人たちの苦労に頭が下がった。


梶原みずほ(かじわら・みずほ)

1972年生まれ。大阪社会部、政治部などを経てGLOBE記者。小説『ブラックアウト』の停電は、想像していた以上に影響の範囲が大きく、怖くなった。






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