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国境を越える電力

[Part2]超長距離で「一帯一路」





世界全体をつなぐ電力網の構築に野心を見せ始めたのが中国だ。


「モンゴルからドイツまで送電できる。技術の問題はすでに解決した」


昨年9月、東京・丸の内。中国国家電網公司前会長の劉振亜(64)はシンポジウムの壇上で自信たっぷりに語った。電網は中国の国土のうち約9割をカバーし、従業員172万人、売り上げが34兆円に上る世界最大の公益企業だ。劉はユーラシア大陸の地図を背に「アジアの電力網連系の中枢の役割を果たせる」と強調した。


その自信の源は、ウルトラ・ハイ・ボルテージの頭文字をとって「UHV」と呼ぶ、超高圧送電技術にある。


電力は、電圧を高めるほど、長距離をロスなく送ることができる。石炭や自然エネルギーが豊富な内陸部でつくった電力を、上海などの沿海部まで運ぶため、国を挙げて実用化を急いできた。すでに国内でUHV11本が稼働し、さらに11本を建設中だ。


昨年着工した「世界最高圧、最大容量、最長」をうたう新疆・南安徽ライン(直流110万ボルト)は3324キロ。北方領土の択捉島から与那国島までとほぼ同じだ。電網とUHV事業で協力するスイスの重電大手ABBグループ上級副社長のラジェンドラ・アイエール(46)は、「電網は技術の限界をどんどん押し広げた」と話す。




中国に警戒感も


中国政府と電網は、この新たな技術を武器に、世界に打って出ようとしている。2015年3月、看板の「シルクロード経済圏構想」(一帯一路)の文書に「国境を越えた電力と送電通路の建設を推進する」とうたった。国家主席の習近平(63)は9月、ニューヨークの国連サミットで「国際エネルギー網構築に向けた協議を提案する」と呼びかけた。

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