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国境を越える電力

[Part2]技術と再生エネで新時代




キビルダル水力発電所
photo:Muayama Yusuke

これまで黒衣だった送電網が電力の新たな時代を切り開き始めた。人々の暮らしだけでなく、国と国の関係すら変えようとしている。


立役者は、1世紀以上前に「交流」との規格争いに敗れた「直流」技術の復権だ。技術の進歩でかつてない長距離、大容量をロスが少なく送ることができるようになり、送電線が国境を越えて世界をつなぐ時代をもたらした。


統合が進む欧州がその先頭を走る。再生エネの急拡大、電力市場の成熟とも相まって、北海・バルト海はいまや海底送電線が縦横に敷かれている。


再生エネは、供給の不安定さが課題だ。しかし、北欧の水、北海の風、南欧の太陽でできた電力が送電線で結ばれることで、その時々で一番豊富で安い「旬」の自然エネルギーを融通しあう、しなやかな電力網が姿を見せつつある。


かつては考えられなかったほどの長距離送電網が実現したことで、地政学的な「電力網争奪戦」や安全保障面での綱引きも起きている。中国は2000キロ超の直流送電技術を手に、世界規模の「電気のシルクロード」建設に動き出した。


(村山祐介)

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