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デザイン思考が変える

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[Part1]道具の意味からデザインの歴史を見る



「新・先史時代--100の動詞」展より

photos:Ueda Yoshihiko協力:日本デザインセンター


2016年4月から9月まで、ミラノ・トリエンナーレ国際博覧会で「新・先史時代-100の動詞」という展覧会が開催された。100の道具と、その道具が意味する100の動詞を組み合わせて展示することで、石器時代から21世紀までの人類史を俯瞰したものだ。同展を監修したグラフィックデザイナーの原研哉によると、それはデザインの歴史をとらえ直す試みでもあったという。その意味を聞いた。



近代デザインは産業革命を契機とし、市民社会の成熟とともに誕生したと語られてきましたが、人間とデザインの根源的な関係を問えば先史時代までさかのぼる必要があるでしょう。人間が石を手にしたときから、世界を加工し変容させ始めたのですから。新たな道具の誕生に際しては、デザインは道具が生み出された意図や技術に即して、最も効果的かつ心地よく機能するために最適なかたちを探りあてるべく働いてきました。



展示は、自然石と「ある」という動詞で始まり、石器と「持つ」が続き、最後は心臓のホログラムと「複製する」で終わる。途中、「殺す」「絶望する」といった動詞がやじりなどの武器や原子爆弾とともに紹介されていた。



道具は人間の欲望を喚起し、その欲望がさらに道具を生み出してきました。こうして振り返ると、人間は賢さだけではなく、残虐さや狡猾さ、愚かさも同時に進化させたことがよくわかります。つまり新たな道具を生み出すことで、人間は悪しき欲望も肥大化させてきたのです。これは政治や宗教といった歴史に絡む複雑な縦糸や横糸を抜き去って人類の欲望の歴史を浮き彫りにしてみる展覧会でした。


デザインは人間の希望や欲望のかたちを洞察する営みです。ものの本質を探りあてていく営みであり、人間の意識に働きかけ、潜在しているものを引き出す力がある。私は「欲望のエデュケーション」という言い方をします。デザインは人間の希望や欲望の質に影響を及ぼします。生活や環境形成へのよりよい希求を導き出してゆく知恵として、世界がきしみはじめているこの時代に、デザインは有効な役割を果たすと思っています。

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