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人工知能を愛せますか?

[Part1]幸せになるかどうかは、私たち次第だ/スティーブン・ケーブ

photo:Sako Masanori

産業革命は人類の物理的な力を飛躍的に拡張した。蒸気の力で遠く、速く移動し、重い物を運ぶことが可能になった。それに対し、人工知能(AI)は、人類の知能の力を拡張する。文明のすべては知能がつくりだした。医療、交通、教育、エネルギー。AIの進化によって、文明のすべてが大きく発展する可能性がある。


しかし、産業革命は人類の生活を豊かにするいっぽうで負の側面も生みだした。多くの人間が都市に流れ込み、劣悪な環境で働いた。労働者階級の誕生だ。共産主義やファシズムが生まれ、悲惨な大戦につながり、環境も破壊された。産業革命がもたらした課題に対応するため、人類が福祉や教育などの社会制度を整えるのに100年かかった。私たちはこの経験から学ばなければならない。「AI革命」後をにらみ、議論を始める必要がある。


AIの進化で心配しなければならないのは、映画「ターミネーター」のように機械がマシンガンを持って人間に襲いかかってくることではない。もっと、目に見えにくいものだ。自動運転を例に挙げると分かりやすい。トラックやタクシーの運転手が職を失う可能性は高い。富の再分配の仕組みや、職業技術の再教育制度を議論する必要がある。



答えの出ない倫理の問題


哲学的な問題も生まれる。たとえば、自動運転車の両側を自転車が走っているとする。右の人はヘルメットをかぶっていて、左の人はかぶっていない。前方に障害物が現れてどちらかにハンドルを切らなければならないとき、どうするか。左に切れば、自転車の人は確実に死ぬ。右に切ればヘルメットのおかげで助かるかもしれない。では右へ切るべきなのか。そうするとヘルメットをかぶっている人が損をすることになる。

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