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トイレから愛をこめて

[Part3]人んちのトイレ借りるシステム使ってみた/米国





クリスティー家のバスルーム
photo:Tadama Emi

インフラの整った都市でも、外出先でトイレが見つからず困ることがある。昨年、米国で生まれたのが、個人宅のトイレの貸し借りをネットで仲介するサービス「Airpnp」だ。米サンフランシスコで使い勝手を試してみた。


ホテルでコーヒーをがぶ飲みしてから市中心部へ。タブレットでサイトを開くと、地図上で近くに10軒ほどが登録されているのがわかる。数ドル程度の利用料をとる貸主もいる。ある女性の家に、いま使えるか照会してみた。OKならスマホやタブレット経由で返事が来て、正確な住所を教えてもらえる仕組みだという。が、いっこうに返事がない。これ、ホントに急いでたら間に合わないじゃん。


最初から住所を公開している人を2人見つけ、突撃訪問することに。1軒は大きな集合住宅なのに部屋番号が不明でたどり着けず。もう1軒のアパートは、高台の公園に面した坂道の途中にあった。ここにトイレを貸してくれるクリスティーが住んでいるはずだ。


インターホンを押すも応答なし。1時間ほど待ち、本気でトイレに行きたくなってきた頃、住人が1人帰ってきた。声をかけるとクリスティー本人だった。「Airpnpを見て来たんです」「何それ? ああ! 忘れてたわ。うちのトイレ使いたいの? どうぞ!」


見知らぬ外国人の私を簡単に家に入れてくれることに驚きつつ、4階へ。3畳ほどのバスルームにあるトイレを借りた。薬棚には錠剤が並び、洗面台に歯ブラシやコップが無造作に置かれている。生活感満載だ。


クリスティーは環境系のNPOで働く27歳。マラソン大会などで近くを多くの人が通るので使ってもらおうと登録した。「でも来たのはあなたが初めて。だって誰もAirpnpを知らないのよ」


Airpnpはニューオーリンズで生まれた。観光客でごった返す冬のカーニバルでトイレ不足が問題になったためだ。確かにイベント時などは便利だろうが、日常的には使いづらい気がする。だって本気でトイレ探してる時に、スマホをいじったり、住人が帰るのを待ったりするヒマなんかないってば。



(田玉恵美)

(文中敬称略)

(次ページへ続く)



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