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トイレから愛をこめて

[Part3]子どもと学校トイレ/専門家に聞く








子どもたちは、なぜ学校のトイレに行きたがらないのか。「きれいにするだけでは解決には至らない。『行くのは恥ずかしい』という意識が問題だ」。子どもの心理とトイレについて研究する常磐短大特任准教授の村上八千世(49)はそう主張する。


村上が小学生に対して行った調査では、学校でトイレに行くことが「恥ずかしくない」と答えた児童は1年生では大半を占めるが、5年生で「恥ずかしい」が上回るようになる。村上は「第二次性徴の影響もあり、この頃にトイレに行くのを恥じる傾向が生まれやすい」と指摘する。「社会の刷り込みもある。小さい頃は『ウンチよく出たね』とほめられたのに、やがて『ウンチは汚く、悪いもの』だという側面が強調されていく。トイレに行くと気持ちがよいなどと、プラス面を強調し、排泄を恥じない意識づくりが重要だ」


排泄と子どもの健康に詳しい肛門外科医の国本正雄(61)は、学校のトイレに行けずに便秘になった小学生の患者を診察した経験がある。いじめが原因で学校のトイレに行けなくなり、便秘で切れ痔(じ)になってしまったという。「トイレに行けないことが精神的なトラウマになりかねない」


ドイツ小児科医学会の医師ウルリッヒ・フェゲラー(66)は、学校での排便を避けるために食事や水分をとらず、子どもが膀胱(ぼうこう)炎や腸の病気を引き起こす危険性を指摘する。


(杉崎慎弥)

(文中敬称略)

本編2へ続く)



学校トイレを訪ねて

part1とpart2で取材したドイツと大分の学校トイレを紹介します(撮影:杉崎慎弥、機材提供:BS朝日「いま世界は」)





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