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着物に明日はあるか?

[Part4]そしていま、世界がKimonoを再発見




 

海神戸オリエンタルホテルのKatagami/photo: Tadama Emi

海を渡った型紙を現代に用い、実際に商品化したのが、世界屈指の高級カーペットメーカー「ブリントンズ」だ。産業革命期以来の歴史をもち、イギリス・バーミンガム郊外のキダーミンスターに本社を構える。その資料室で1999年ごろ、1000点に及ぶ型紙が見つかった。花鳥柄や幾何学文様など多彩な柄が含まれ、ドレスデンの型紙と同じく100年以上前のものだった。


同社はこの型紙のデザインをもとに、完全オーダーメイドのカーペット「Katagami」シリーズを2007年に売り出した。今や主力商品に成長し、世界中の高級ホテルや空港のVIPラウンジなどで使われている。ブリントンズで収蔵資料の管理を担当するイヴォンヌ・スミスは「古いデザインなのにモダンで、時代を超越していると感じました。世界に通じると考えたのです」と説明する。日本では、神戸オリエンタルホテルのバンケットルームやスイートルームなどに「逆輸入」されている。



ファストファッションでも



世界に店舗を展開する英国のファストファッションメーカー「ニュールック」では昨年、「Kimono」シリーズが大ヒットした。


名前こそ着物と同じだが、実際には薄手で軽い、はおるタイプの上着で、ゆったりとしたローブのようなラインや、派手なプリント柄が特徴。価格は12~60ポンド(約2000~1万1000円)ほどだ。春から夏にかけて1週間に4万枚のペースで売れ、「Kimonoは若い英国女性の必須アイテム」などと英紙で話題になった。人気の理由についてアナリストのフランチェスカ・マストンは「Kimonoは万能。ジャケットにもなるし、軽い上着にもなるし、ベルトがあればドレスにもなる。体形も問わない」と英メディアで分析した。


H&MやZARAなど、他のメーカーもKimonoと名付けた服を売り出している。欧米のジャポニズムに詳しい京都服飾文化研究財団チーフ・キュレーターの深井晃子は「海外の人たちのほうがむしろ、デザインの斬新さや、流れるような布のラインなど、着物が持っている根本的で本来的な魅力を見いだしている」と話している。




(田玉恵美)

(文中敬称略)

(次ページへ続く)




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