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WHO?

[Part1]194カ国が動かす国際保健の要








世界保健機関(WHO)は「すべての人々の健康を守り、増進する」ことを目標に1948年に設立された。ユネスコ(国連教育科学文化機関)などと並ぶ国際連合の専門機関の一つ。感染症だけでなく、保健衛生や母子保健などに幅広く取り組み、近年は生活習慣病対策にも力を入れる。原発事故など緊急災害では住民の健康リスクを評価する。


加盟する194の国が1票ずつ投票権を持ち、年1回の総会で予算や事業計画を承認する。このほか、六つの地域を代表する34カ国が年に2回、執行理事会を開催。総会の方針を実現する方法を決める。予算規模は年20億ドル強で、ユネスコの3倍弱、FAO(食糧農業機関)の約半分。




「世界の規範」をつくる



本部はスイスのジュネーブで、世界6カ所の地域事務局、150の国・地域別事務所がある。常勤職員は約6500人。事務局長が政治任用する事務局長補など幹部や専門職以外は公募だ。医師や公衆衛生の専門家が多い。日本人職員は32人。


WHOの事務局長は、執行理事会で選ばれ、総会で承認される。任期は5年で再選は1回のみ。現在は7人目で中国・香港出身のマーガレット・チャン。地域事務局長も当該地域の加盟国の選挙で決まる。日本は西太平洋地域事務局(本部・マニラ)に属する。


「WHOの役割は世界の規範を作ること」と事務局長補の中谷比呂樹(62)は解説する。途上国などで安全で有効な医薬品を無駄なく調達するための「必須医薬品モデルリスト」や、予防接種の種類や推奨される打ち方など、多岐にわたる「規範」を出している。ただし、規範を実行に移すのはWHOではなく、各国政府や他の国際機関などだ。


WHOで働いたことがある東京大大学院医学系研究科教授(国際保健政策学)、渋谷健司(48)は「誰もが正当だと認める規範を作ったり、1国だけでは意味がない感染症の発生動向調査などをまとめたりできるのはWHOだけだ。世界の健康を向上させるためには有効活用が欠かせない」と指摘する。


(大岩ゆり)

(文中敬称略)

(次ページへ続く)



WHOジュネーブ本部を歩く

WHO事務局長補・中谷比呂樹さんらの案内でジュネーブ本部を歩いた(撮影:浜田陽太郎、松尾一郎、機材提供:BS朝日「いま世界は」)



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