RSS

Beer

[Part3]「とりあえずウーロン茶」の悩み







酒を飲まない私にとって、「とりあえずビール」ほどめんどうなものはない。席につくと、だれかが勝手に「生ビール、人数分」と店員に向かって叫ぶ。「あの、すみません、私はビール飲めないんです」


そこからだ。メニューをじっくり見る時間はない。オレンジジュースにしようか。でも、果汁100%だろうか。店員に聞くと「分からないので、聞いてきます」。お願いだから、早くして。本当は無料の温かいお茶でいいが、それも頼みにくい。「早くしろよ」という周囲の視線が突き刺さる。もうなんでもいいや。「ウーロン茶ください」


自宅でウーロン茶を飲むことはないし、さして好きでもないのに、なぜか外では注文してしまう。なにしろどんな店にも置いてあるから安心だ。


現在最大手のサントリーがウーロン茶を発売したのは1981年のこと。当時は、お茶を買って飲む習慣がなく、先行きは必ずしも明るくなかった。


だが、スナックなど夜の店で働く女性たちが飛びついた。「ウイスキーの水割りと色が似ているため、場の雰囲気に水をささないウーロン茶が健康にも気を使う女性たちに喜ばれたようです」とサントリー食品インターナショナル広報の神谷香七は言う。緑茶は家庭を想起させるが、ウーロン茶は目新しいぶん非日常を楽しむ飲食店に浸透しやすかった。


以降、酒の流通ルートに乗って一般の飲食店などにも普及した。全国茶生産団体連合会などのまとめによると、1980年から2001年までの間に、ウーロン茶葉の輸入量は6倍以上に増えた。


下戸の救世主になった感のあるウーロン茶だが、大きなグラスだと1杯がやっと。ビールをがぶ飲みした人たちと同じように割り勘にされると絶句する。ウーロン茶の力も、無配慮な飲んべえたちには及ばないようだ。


(田玉恵美)

(次ページへ続く)

…続きを読む

この記事の続きをお読みいただくためには、購読手続きが必要です。
GLOBE総合ガイド
  • ログインする
  • ご購読申し込み

朝日新聞デジタル購読者(フルプラン)の方なら手続き不要

「朝日新聞デジタル(フルプラン)」を購読済みの方は、ご利用のログインID・パスワードでGLOBEデジタル版の全てのコンテンツをお楽しみいただけます。「ログイン」へお進みください。
朝日新聞デジタルのお申し込みはこちら

この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示