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大学ってなんだ?

[Part3]「人気のない大学は退場」。政府がレッドカード





photo:Kodera Hiroyuki

日本を上回るスピードで少子化が進み、高校卒業人口より大学の入学定員の方が多くなりかねないのが韓国だ。大学の数と質をどう保つか。激しい荒療治が進められている。


京畿道城南市の嘉泉(カチョン)大学。約2万人の学生が学ぶこの大学は、元々は別々のキャンパスにあった四つの大学だった。2006年に嘉泉吉(カチョンキル)大学と嘉泉医科大学が合併。07年に暻園(キョンウォン)大学、暻園専門大学が合併し、合併してできた二つの大学が12年にもう一度合併し、嘉泉大として生まれ変わった。中小規模の大学が力を合わせ、大学サバイバルの時代を乗り切る狙いだ。まるで、企業合併のように。


教授で大学改革を担当するペク・スンウ(50)は「経営の合理化で生み出したお金で優秀な教授を招き、教育環境を整備して、大学の評価を上げることが目的だ」と説明する。その目玉が、米ハワイに開設した寄宿舎型の語学センターだ。プールもあって、1カ月の短期研修の場合、学費、航空運賃など全額約350万ウォン(約35万円)。すべて大学側が負担する。無駄を省き、浮いたお金を重点事業に投資するという企業マインドを前面に打ち出している。


韓国は1990年代ごろから、社会の学歴需要に応える形で大学や定員を増やしてきた。ところが、大学の体をなさない「不良大学」も同時に問題化した。政府は、2004年ごろから「退出制度」を導入し、定員通りに学生が集まらなかったり財務状況が厳しくなったりした大学の補助金を減らし、統廃合を促す政策を打ち出した。


韓国の大学教育研究所によると、2004年以降、完全に撤退が決まった大学は5校だが、これまでに40校が統廃合の候補となった。地方の大学や経営不振の私立大学が多いという。



「10年で30~50校がなくなる」


韓国の高校卒業人口は2012年をピークに減り始め、13年は63万人。一方の大学定員数は56万人。その5年後の18年には定員数の方が高卒人口を上回る時代を迎える。教育省の大学教育政策課長キム・ジェグム(45)は「あと10年で16万人も定員の方が多い事態になる」と危機感を募らせる。現在、韓国には大学が計350校あるが、単純に定員と入学者数をみると、7、8年後には118校が「不要」になるとはじく。


ただ、退出制度の目的はそれだけではない。レベルの高い大学をよりよく磨くという狙いもある。キムは「予算には限りがある。よりよい教育と研究を行う大学に公的資金をまわし、国際競争力を高め、韓国のプレゼンスを高めたい」。


韓国政府は近く、大学経営をめぐる新たな仕組みを発表する。新年度から、大学を「最優秀」「優秀」など5段階に分け、段階に応じて定員を絞らせる。下位2グループに入った大学への補助金を制限し、経営努力をしなければ撤退を迫る。キムは「今後10年ほどで30~50校はなくなるだろう」とみる。

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