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大学ってなんだ?

[Part2]就活でも転職でも。「ある日スカウトメールが来た」






ムークを踏み台に転職したタミル・ドゥベルスタイン/photo:Kanari Ryuichi


ムークを提供する企業は世界中の受講生の成績に目を光らせている。優秀な受講生を発掘し、提携企業に紹介することで収益に結びつけるためだ。


米サンフランシスコの人気ハイテク企業にプログラマーとして勤めるカナダ人のタミル・ドゥベルスタイン(25)は、ムークを踏み台に転職した一人だ。友人から教えてもらって始めた当時、カナダで機械エンジニアとして働いていた。仕事に満足できない日々だった。


プログラミングには興味があり、職場から帰宅すると、ムークで『コンピューター科学』や『ウェブ開発』など6講座を次々と受講した。動画をみて、練習問題を解き、実際にプログラミング・コードを画面に入力した。


成績が良かったようだ。しばらくして1通のメールが届いた。「あなたを直接、企業に紹介できます。ご関心ありましたら最新の履歴書を返信して下さい。提携企業と共有します」。提携企業には、グーグルやアマゾン、フェイスブックなど人気企業の名があった。ムークの配信企業ユダシティーの採用担当者からのスカウトメールだった。


「つまり、僕を雇いたいって話?」。半信半疑で履歴書をつくり、送信した。すると数週間後、2通目のメールが届いた。米国のハイテク企業がプログラマーとしての採用に興味を持っているという。「マジで? 僕にはプログラマーとしての勤務実績もないのに」。サンフランシスコで計8時間の面接を受け、採用通知を受け取った。



独学の才能買われ

数学教師からソフトウエア開発者に転じたダニエル・ウィルソン/photo:Kanari Ryuichi

サンフランシスコから北へ800キロのオレゴン州ユージーンにも、ムークで習得した知識を武器に転職できた若者がいる。ダニエル・ウィルソン(25)。半年前まで高校の数学教師だった。ムークでプログラミングを学び、地元企業にソフトウエア開発者として入社した。


「コンピューターのプログラムを一行も書けなかった私が、すべてをタダで学び、転職できた。この仕組みの導入で、米国社会が既存の大学システムから早くオサラバできたらいいね。なぜかって、米国では授業料が高すぎて、卒業する時にはたくさん借金を背負わないといけないからさ」


彼の採用を決めたのは創業者のウェイン・スキッパー(42)だ。「大学に行かなくても、独学で新しい知識を身につけることができる時代だ。変化の速い現代社会では不可欠な才能だ」。そんなダニエルの姿勢を買ったという。


(金成隆一)

(文中敬称略)

(次ページへ続く)


MOOCがやってきた!

ネットにつながれば、いつでも、だれでも、どこからでも大学レベルの授業を受けられる時代。ムークを踏み台にキャリアアップに成功する若者が続々と現れている。(撮影:金成隆一、機材提供:BS朝日「いま世界は」)



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