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日中韓、それぞれの漢方

[Part2] 「漢方の里」めざすチワン族


小寺浩之氏撮影

中国南部、ベトナムと国境を接する広西チワン族自治区。

日本の3分の2程の面積に約5000万人が暮らす。うち3分の1が少数民族のチワン族。亜熱帯の豊かな山林が広がり、中国に自生する薬用植物種の7割が育つ「漢方の里」だ。

中国内の生薬の3割を生産し、関連産業も含めると域内総生産の10%にも達するといわれる。自治区政府は、沿岸部に比べれば遅れがちの経済発展のテコの一つとして、中医薬振興に力を入れる。

 

自治区の区都、南寧市の中心部から車で30分程度。人の姿の少なくなったあたりに、塀に囲まれた広大な森があらわれた。一角にはカラフルでモダンな建物。官民一体の漢方振興のセンター役を担う広西薬用植物園だ。

 

園長の繆剣華は記者に、「自治区の中薬産業はまだまだ発展の余地がある。栽培法や品種改良の研究は始まったばかり。設備投資や人材育成も必要だ」と意気込みを語った。

自治区政府は2020年までに中医薬関連産業の収入を、現状の10倍を上回る1000億人民元(約1兆2000億円)の大台に乗せる目標を掲げる。

 

広西薬用植物園も3000万元(約3億7000万円)以上を投じて分析センターを新設。製薬会社などが持ち込む中薬の品質検査を請け負う。園内で薬用植物を栽培し、地元企業と共同で出資した製薬工場も備える。

 

さらに約3億元(約37億円)を投資して新工場を建てており、この夏にも独自ブランドの中薬の製造・販売を本格化する予定だ。薬用植物の栽培面積を東京・山手線内の面積に近い約67平方キロに広げる計画もある。

 

繆は「順調にいけば、5年後の中医薬製品の売り上げは60億元(約740億円)に達しているはずだ」と話した。

 

(小林哲)

 

(文中敬称略)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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