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夕方5時、一斉に動き出す漁船

 

[Part1]

[サバ/ノルウェー]大ぶりを狙え。焦らないのがノルウェー式

 

10月8日の金曜日、北大西洋に面したノルウェーの港町オーレスンで、巻き網船「シニョール号」(442トン、乗組員10人)に乗った。1978年の建造で、船名を英語に訳せば「シニア」。62歳の私にはふさわしい船だ。

船は午前0時過ぎに港を出た。「金曜に漁に出るのは避けよ」という言い伝えがあり、日付が変わるのを待ったという。

18時間後、英シェトランド諸島の東側の漁場にたどりついた。魚群探知機には大きな魚影が映っているのに、船長兼漁労長のアグナール・アンゲル(52)は、なかなか網をおろさない。

「400グラムのサバがほしい。ここは300グラムしかない」。しばらく思案したアンゲルは、大きなサバを求めてシェトランド諸島の西側に行くと決断した。さらに6時間かかる。

北大西洋を回遊する魚(サバ、ニシン、タラなど)については、20カ国からなる国際海洋探査委員会(ICES)が毎年、資源調査に基づき漁獲可能な総量を勧告する。これをもとに関係国間が交渉し、各国の配分枠を決める。

ノルウェーの場合、国際交渉で配分された枠をもとに水産庁が総漁獲可能量(TAC)を決める。漁業沿岸省がTACを承認した後、巻き網やトロールなどグループごとに漁獲枠が配分され、最後に個別の枠(IQ)が船に割り振られる。

シニョール号の今年のサバ漁獲枠は2000トン。私を乗せて出港した時点で残りは300トンあまりだった。

いったん網を入れたら、小さな幼魚しかかからなくても放棄することは禁じられている。アンゲルは今シーズン最後のサバ漁とみて、慎重になっていた。

(高成田享)

(文中敬称略)

 

 

 

 

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