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原発技術の兵器転用への懸念は、中東に限らず世界中どこでもある。しかし、原発そのものが核拡散のリスクを増すわけではない。多くの国で原発の導入計画が打ち出されているが、一般的な軽水炉から出るプルトニウムは直接、兵器に使えるものではない。原発技術に触れることで、技術の底上げはされるだろうが、兵器開発には程遠い。

むしろ重要なのは、ウラン濃縮や使用済み核燃料の再処理といった「機微技術」の国際的な管理だ。
IAEAに加盟する非核兵器国は、査察を受け入れる義務がある。1997年以降、査察の権限を強めた追加議定書によって査察能力は強化された。追加議定書は100カ国以上で発効している。
それでも、極端な話だが、IAEAを脱退し、国境を封鎖して核開発を進めるという国が現れれば、その意思を止めることは難しいだろう。仮にイランが核兵器を持てば、中東地域で核ドミノが広がる可能性は否定できない。イランは平和利用に徹するというなら、より透明性を高めなければならない。
今後、原発を導入する新興国が増えるだけでなく、原発技術を供給する側で新興国が増え得ることにも十分、注意を払う必要がある。中国は原発の国産化を図り、海外展開を検討中だ。既にパキスタンには商業炉の輸出を約束している。
原子力を運営する基盤が弱く、政情も不安定な国に対し、プルトニウムの抽出が容易な重水炉や安全性が不確かな原子炉を供給することには、慎重にならなければいけない。
国際的な専門家パネルで安全設計を評価して問題を提起したり、行動規範を作って自主規制を促したりといった方策が必要だろう。
政治的な理由によって核燃料の供給が受けられなくなった国に対し、代替燃料の供給をする供給保証のメカニズムも検討されている。これで、独自に濃縮をする国に対して、「自国開発は経済的ではないのに、なぜ固執するのか」と問い詰めることができるだろう。
完璧な措置は無い。「国際的な監視と管理」「供給保証」「民主的な安定政権」を組みあわせることで核拡散の可能性を狭めることにつながる。
(聞き手・野島淳、文中敬称略)
野島淳(のじま・じゅん)
73年生まれ。経済部などを経てGLOBE記者
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貫洞欣寛(かんどう・よしひろ)
70年生まれ。社会部などを経て、4月から2度目のカイロ特派員
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稲田清英(いなだ・きよひで)
72年生まれ。経済部などを経てソウル特派員
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石合 力(いしあい・つとむ)
64年生まれ。カイロ、ワシントン特派員などを経てGLOBE副編集長
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小杉豊和(こすぎ・とよかず)
60年生まれ。東京本社写真センター員兼GLOBEフォト・ディレクター