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グローバル化への視点

[Part1]

ブーズ・アンド・カンパニー
東京を中心に描かれたピラミッドが崩れていく

 

グローバル化の波にさらされる日本企業が取るべき方策は。
企業の海外展開を裏方で支えてきた経営戦略コンサルティング会社「ブーズ・アンド・カンパニー」のエグゼクティブ・ディレクター、松田千恵子はこう語る。

松田千恵子氏は「とりあえず海外、では失敗する」という=都留悦史撮影

これまでの日本企業の国際化は、コスト削減のために生産基地を海外に移すのが中心で、現場を仕切るのも基本的に日本人だった。しかし、新興国は、消費市場としても注目されている。

海外で商売するとなれば、市場を徹底的に知らねばならない。そうなると、現地の事情に詳しい外国人を積極的に幹部登用しないといけない。しかも、情報手段の発達で意思決定のスピードは今までと比べものにならないくらい速い。日本企業がよくやる合議制では遅いのだ。彼らに経営戦略や意思決定の権限と責任を委譲していかないとうまくいかない。海外を「第2のホームマーケット」にする決意が求められる。

とはいえ、人材を国際化するのは日本人は苦手だ。日本人だけで判断するのであれば「あうんの呼吸」で済んだかもしれないが、国際化が進めば、そうした経営では行き詰まる。本社機能を海外に移転させたり、海外事業の経営をすべて外国人に任せたりするような大きな変革が迫られている。東京を中心に描かれていた大きなピラミッドが崩れていくことが今起きているグローバル化なのだ。その成功は、会社組織全体としてどう対応できるかにかかっている。

戦後の日本の企業経営は世界からみれば「標準」とは言えなかった。事業資金は主取引銀行が支えたし、株主にうるさく言われる心配も買収防衛を考える必要もなかった。人材も年功序列、終身雇用体系の中で安定的に取れた。

そうした安定化装置は機能不全になった。経済成長が続くという前提条件が崩れたからだ。日本人は、従来モデルの延長線上で得意の改善を重ね、惰性で何とか持ちこたえてきたが、台頭する新興国企業を含めた国際競争が激化するなかで、もはや根本からの経営改革、経営の標準化は待ったなしだ。

経済成長の著しい海外の新興国で戦っていく際には、戦術論を議論するよりもまず大戦略論を立てることが有効だ。具体的にどこで戦うのか、何を目指すのか、いつまでに実現させるのかを明確にするべきだ。「とりあえず海外」という程度で乗り込めば失敗する。入念な準備が必要で、もしかすると、海外に出ていく前に、日本の本社を何とかすることを最優先した方がいいかもしれない。

(構成・都留悦史、文中敬称略)

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