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ワーナー・ブラザース製作の「最後の忠臣蔵」に主演する役所広司は、今の日本映画の顔といってよいだろう。同作を監督した杉田成道は海外の映画祭への出品を狙っている。役所は勝算あり、とみる。「映画祭では、一度見れば分かる明快な作品よりも、いろいろな要素が隠されていて想像力を必要とするタイプが好まれる。この作品は主人公の複雑な心情描写が面白い。時代劇ということもあり、外国の方も興味を持って下さるのではないか。切腹もありますしね」
映画祭で監督が大事にされていることがうれしいという。「俳優? 2番目です(笑い)。今村昌平監督なんてカンヌから本当に敬われている。『うなぎ』でご一緒した時に肌で感じました」
もう一つ驚くのは海外の記者たちが日本映画をたくさん見ていること。「僕が昔出た『シャブ極道』なんていう映画もちゃんと見てくれている。ありがたいですね」。ただ、映画祭以外では日本映画を見られる場がまだ少ない。「その意味で、しっかりした海外配給網を持つワーナーが作れば、世界の観客が日本映画に接する機会が増えるのでは」
一方で「海外で評価の高い監督が国内で大事にされていない」と憂える。「僕が映画を始めた頃、若い監督が限られた予算で知恵を絞って秀作を生んできた。今の日本映画は彼らが支えている。ところが彼らの製作環境は当時と変わっていない。大手の映画会社が彼らをもっと使ってほしい。かつての大手は商業主義でありつつも巨匠に撮らせてきた。北野武監督や黒沢清監督がふんだんに予算を使った大作を見てみたい」
1956年生まれ。「うなぎ」や「EUREKA(ユリイカ)」など多くの主演作で3大映画祭に参加。「バベル」など海外の映画にも積極的に出演している。
(文中敬称略)