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B747に描かれた鶴のマークは、海外への架け橋、人々の憧れだった

[Part1]

緊迫の夜、閣僚たちは激しくぶつかり合った


首相公邸のテーブルの上で、おでんが湯気をたてている。

11月8日、国会論戦の合間の日曜夜。食卓を囲んだのは、首相の鳩山由紀夫、副総理・菅直人、官房長官・平野博文、財務相・藤井裕久、官房副長官・松井孝治ら政権の中枢メンバーだった。鳩山夫妻はこの日朝、そろってスーパーへ買い出しに行き、ファーストレディー、幸(みゆき)が腕をふるった。

国土交通相の前原誠司が地元の京都から駆け付けたのは午後8時前。JALの中間決算発表は5日後に迫っている。実質的な債務超過に陥り、政府が支援を表明しなければ、監査法人が決算を承認せず、ただちに経営破綻(はたん)につながりかねない。

記者会見で中間決算を発表する日本航空の西松遥社長(右)ら=2009年11月13日、東京都中央区、池田良撮影

政府の支援体制を固めたい前原は、こう発言した。

「今月にはJALの資金繰りが行き詰まる。企業再生支援機構の支援が決まるまでの間、DBJ(日本政策投資銀行)によるつなぎ融資の政府保証が必要だ。(JALの退職者の)企業年金の削減についての特別立法の骨子も、内閣として確認してほしい」

菅が口を開いた。菅は、発足したばかりの官民出資の再生ファンド、企業再生支援機構の担当である。

「DBJは民間会社になったとはいえ、まだ政府が100%の株を持っている。財務省がつなぎ融資をやると決めれば、それで済む話なのではないか」

DBJ融資に対する政府保証は不要という考えを示したものだった。

特別立法の骨子を発表することについても、菅や平野、松井が難色を示した。支援機構はJALの支援を検討しているに過ぎず、支援が決定したわけではない。もし、会社更生法を使ったり、退職者が年金削減に合意したりするなら、特別立法はいらなくなる可能性もある。それに法案骨子が表に出てしまうと、開会中の臨時国会で野党に追及される材料になりかねない。

緊迫したやりとりが30分以上続くが結論は出ない。政府中枢の考え方の違いが鮮明になった「おでんの夜」。衝撃は、ひそかに霞が関に広がった。

翌朝から国交副大臣の辻元清美が官邸や関係各省を駆け回り、ぎりぎりの妥協策を探る。

関係5閣僚がサインした日航支援策の文書=2009年11月10日、澄川卓也撮影

菅、前原は10日夜、関係する5人の閣僚の合意書を示し、記者会見に臨む。閣議決定には至らなかったが、DBJの融資に事後的に政府保証することや、企業年金の支払いに公的資金を使わないための法的措置の検討を盛り込んだ。

11月13日、JALは中間決算で1312億円という過去最大の最終赤字を発表しつつも、一命をとりとめた。

(文中敬称略)

 

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