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中国、「No.1」への長征 内からの目

ベストセラーに反映、揺れる国民心理

中国で4月に出版された「中国不高興(不機嫌な中国)」が話題を呼んでいる。「大国意識」を鮮明に出した内容。100万部を超える売れ行きだ。日本でも翻訳版が9月に出た。一方、批判本も多い。国際的な地位の急速な高まりに、中国人自身が揺れている。共著者の王小東と、批判本「中国誰在不高興(中国の誰が不機嫌なのか)」の共著者、葉楚華に話を聞いた。


 

[Part1] 他国の後ろを走る意識をもつな

王小東 「中国不高興」筆者(53)

 

――なぜ「不機嫌」なんですか。
王小東
 中国は改革・開放から30年、国際関係ではできるだけ控えめにし、自国の発展に専念してきた。正しい戦略だった。だが、国力は長足の進歩を遂げ、中国は自分が思っている以上に大国となり、超大国となる潜在力があると思われ始めている。
それなのに「西側にも問題がある」と言うと、「奴青」(奴隷的精神に毒された若者)たちが文句を言う。外国を美化・崇拝し、他の国家の後ろを走る意識を持つべきではない。脅威に思う西洋人もいるだろうが、中国人はもっと大国としての自覚を持って当然だ。

北京育ち。北京大数学科卒業後、東京工業大学経営工学科へ留学。現在は中国共産主義青年団系の中国青少年研究センター研究員。非共産党員。

――読者層は?
 80年代以降に生まれた若者。軍人や国防関係者も多い。08年にチベット問題で北京五輪の聖火リレーを邪魔されて、中国の若者の対外感情は悪くなった。中国人の意見を聞く耳を持たないまま、西洋人が中国人に対して一方的に説教できる力関係にあった時代は終わった。西洋人は自覚すべきだ。

 

――好戦的で、民族主義的との批判もあります。
 メディアや外交に携わる者は、愛や協調で物事が解決すると考えがちだが、愛で解決できない現実、利益の衝突がある。例えば中国がオーストラリアやアフリカから資源を運んでくるにも、海の安全を確保しなければならない。空母建造をはじめ海軍強化には道理があるのだ。中国は、広い国土と世界の多くの資源を管理する必要がある。

 

――日本にはあまり触れていませんね。
 国際政治的には、日本は米国の付属国でしかない。中日関係は中米関係の一部と考えているからだ。

 

――中国はGDPでまもなく日本を抜きます。
 当たり前だ。人口が10倍以上なんだから。ただ、経済規模は超えても、科学技術力ではまだ差がある。

(文中敬称略)

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