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Memo03

国王の鶴の一声でマッサージ学校が始まった


ワットはタイ語で「寺」。ワットポー・マッサージスクールはその名の通り、ポー寺に付属して始まった。

プリーダ理事長(68)は米国で薬学を学び、ドイツの製薬会社のマネジャーだった。88年、父親が育てたこの学校を引き継いだ。

ワットポー・マッサージスクールのブリーダ理事長

父親は地元の名士で、薬剤師。家族は古くからワットポーの檀家でもあり、寺が赤字続きだった伝統治療院の経営を父親に任せた。もともとタイでは、寺で貧しい人々の病気の治療をしていて、マッサージも伝統医療の重要な柱の一つだった。

当初、学校では薬学や薬草学などを教えていたが、61年、国王が訪れ、「マッサージは教えていないのか」。その「鶴の一声」でマッサージの授業が始まったという。

しかし、当時は「マッサージ=セックス産業」というイメージがあり、無料の授業にも閑古鳥が鳴いていた。場所が寺だという安心感から少しずつ人が来るようになり、教科書や系統だったカリキュラムが作られた。いまは世界80カ国以上から生徒が集まる。

理事長がいま力を入れているのはマッサージ版「ゆりかごから墓場まで」。「人の一生に常にマッサージがある生活を作りたい」と言う。死ぬ間際の人にマッサージをして、あの世に送り出す。そんな試みも始めている。

(文中敬称略)

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