TOPへ
RSS

民主党は頼れるか? 自民党との違い、どこに

[Part2] 安保の振れ幅「30度」 「核の傘」半分離脱?

民主党が、政権をとった場合、外交・安全保障政策はどうなるのか。「日米関係を基本とするが、より世界各国との友好関係を大事にする」(「次の内閣」外相の鉢呂吉雄)というのが最大公約数だ。

冷戦時代とは異なり、いまの自公政権との振れる角度は「180度でなく30度ぐらい」と、「次の内閣」で防衛庁長官を経験した衆院議員の長島昭久は説明する。「基本政策を維持した上での修正」は主に次の点に集約される。

1)提案型、自立志向の日米同盟
2)アジア、周辺諸国との協調重視
3)環境、非核政策での積極姿勢
4)平和構築分野で自衛隊積極活用

1)でまず問われるのは、インド洋給油支援、海賊対策への対応だ。「両方やるといえば、米国は安心する。給油をやめるなら、対案で何を出せるか」(外務省幹部)。「次の内閣」防衛相の浅尾慶一郎、参院議員の犬塚直史らは、米国と協調しつつ、アフガニスタン、パキスタンでの新たな民生支援を模索する。

警護中の貨物船の様子を双眼鏡で確認する「さざなみ」の海上自衛隊員=2009年6月6日、アデン湾洋上、古谷祐伸撮影
警護中の貨物船の様子を双眼鏡で確認する「さざなみ」の海上自衛隊員=2009年6月6日、アデン湾洋上、古谷祐伸撮影

米外交問題評議会上級研究員のシーラ・スミスは「オバマ政権は『米国が要請し、日本が応える』というような関係を求めていない。世界的規模の問題をともに解決することを求めている」と語る。民主党の「自立志向の同盟論」とも通じる。

「アキレス腱」になりかねないのが、沖縄の米軍普天間基地返還問題への対応だ。前原は、10年以上進展していない現行案に代わる「腹案がある」と話す。両政府の合意を覆すのは同盟では本来、タブーに近い。しかし、4月の訪米時に「代案」に言及すると、元米高官は否定せず、こう言ったという。「実現できるかどうかは、オバマ政権と日本の民主党政権の双方の足元がどこまで強いかによる」

2)を意識して、鳩山は代表就任後、初の外遊先に韓国を選んだ。出発前の4日、「大事なことは日本はアジアの一国であると、アジアのなかでもっと親しい協力ができる、そんなお互いの国同士でありたい」と語った。経済協力の強化を通じた「東アジア共同体」づくりを目指すという。

3)に力を入れるのは岡田だ。幹事長就任直後の5月、「核の先制使用と核廃絶は論理的に一貫しない」と述べた。米国の「核の傘」のうち、核攻撃を受けた場合の報復は認め、「傘」から「半分出るべきだ」と主張した。北朝鮮が2度目の核実験に踏み切るなか、総選挙のマニフェストに盛り込むかどうか、党内には異論もある。

4)について、鳩山は代表選の際、「国連が決めたものなら何でもやるわけではない」と述べ、小沢の国連至上主義から軌道修正を図っている。だが、党として「事前承認など国会の関与を強める」ことを条件に自衛隊の海外活用に積極的な姿勢は変わらないとみられる。
さらに、連立政権の相手として想定される社民党や国民新党との安保観の隔たりもある。溝が埋まらなければ、身動きがとれなくなる恐れも出てくる。

(文中敬称略)

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

世界のどこかで、日本の明日を考える 朝日新聞グローブとは?

Editor’s Note 編集長 新創刊のあいさつ

このページの先頭へ