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民主党の政策は、党首が交代すると劇的に変わることがある。
年金財源をめぐる消費税論議はその典型だ。
民主党は「年金をだれでも確実にもらえるようにする」との理想を掲げ、公的年金の基礎(最低保障)部分を税で賄う方式を提案してきた。

代表が菅直人の04年には、財源として「3%程度の年金目的消費税の創設」を掲げた。その方針は、代表を引き継いだ岡田克也、前原誠司も守ってきた。
ところが、小沢一郎になって突然、増税の主張は封印される。07年のマニフェストでは「現行の消費税の全税収をあてる。税金の無駄遣いをなくすことで、消費税率は据え置く」となった。
だが、現在の消費税収は約13兆円。現行の基礎年金給付費は約19兆円で、このままでは足りない。
07年7月の討論会で、小沢は、年収1200万円超の人は最低保障分をカットすることなどで対応可能と説明した。だが、どの時点の「年収」を使って試算したかなど詳細は明らかにされていない。
先月の代表選でも、民主党内での年金政策のブレを印象づける場面があった。
岡田は年金改革を公約のトップに掲げたが、説明文に「過去債務270兆円の切り離し」との言葉があった。党の公式見解にはない「新方針」だった。
最低保障部分は税で負担した上で、2階部分についても今と違う制度に移行する。その際、現行方式で約束した給付に足りないお金は新制度と切り離して対応する、という。
しかし、5日の会見で岡田は「党の中で議論してきたものではない」とあっさり引っ込めてしまった。
民主党を応援している労働組合からも、不満が出ている。
政府が提出したサラリーマンらの厚生年金と公務員が対象の共済年金を一元化する法案は、2年以上もたなざらしのままになっている。民主党が、自営業者らの国民年金の一元化も主張しているため、本格的な審議に入れないのだ。
与野党間で年金改革論議が進まない状況に、連合の幹部は言う。
「いきなり自営業者の年金も統合するのは無理。理想を示すのはいい。
ただ、民主党の政策には、どう実現するのかという具体的なステップが欠けがちなのではないか」
(文中敬称略)