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[インタビュー]特許が変わる 特許で変わる

[第4回] 「特許や技術力を高めなければ発展はない」

王海波 中興通信法務部副部長・知識産権総監

 

特許重視の経営戦略を進め、世界的にも注目を集めている中国企業の一つが、深圳にある通信機器メーカーの中興通信だ。これまでの出願件数は国内外で1万7000件を超えたという。ショールームには「中国最多の携帯特許、2300以上」の説明が踊る。IT関連の企業や研究所などが集まる深圳市内の一角。朝の会議が始まる前、知的財産部門幹部の王海波氏に戦略を聞いた。

(4月2日、中国・深圳の中興通信で。聞き手:稲田清英)


 

――WIPOの国際特許出願件数で、中国企業では華為技術に次いで2番目になるなど、特許出願が年々、急速に増えていますね。なぜ特許戦略が重要なのですか?

ワン・ハイポー  75年生まれ。00年に中興通信に入り、知財畑を歩む。弁護士、弁理士の資格も持つ。

王海波 ご承知のように、中国企業の中でも我々と華為技術の発展スピードはとても目立っています。市場でつかみとった勝利は、欧米などのライバルメーカーに大きな圧力を与え、そのメーカーは知的財産を主な手段として中国企業の発展を必ず迎え撃ってきます。ではどうするか。できるだけ速く、できるだけうまく、対応しなければならない。それにより、知的財産をめぐる裁判や特許料の支払いなどのコストを減らせます。

 

――何かきっかけがあったのですか?

 今までのところ、我々は知財をめぐるトラブルや訴訟はそれほど多くありません。特許重視の理由としては、経営陣がもともと知財をとても重視していることがあります。すでに95年に初の特許出願を果たしていますが、これをみれば、90年代から特許や知財に力を入れてきたことを証明できるでしょう。

私の部門では、毎年3つの報告書を作り、経営陣に提出しています。全世界の通信産業の特許出願の統計、知財に関する訴訟や賠償の分析や報告、各国での知財をめぐる環境の変化、についてです。世界中に目を向け、他のメーカーの動向をよく観察しています。

 

――現在、技術開発や特許で特に力を入れている分野は?

 技術開発では、まず携帯電話の次世代技術です。情報の送信スピード向上に関連する技術なども。また、特許の出願については海外での出願を重視しています。

 

――それはなぜですか?

 我々の市場は大部分が海外にあるからです。またライバルメーカーも主に海外にいる。我々の製品が欧米市場に進出するためには、特許が重要になるんです。

 

――知財部門の人材はどう確保していますか?

王 3つのルートがあります。まず1つ目は技術者。特許部門でも様々な技術の専門家、技術に詳しい人を採用しています。技術に対する理解力、今後の技術の発展の見込みに対する理解が高いことが重要だからです。2つ目は、知的財産の知識や経験を持っている人を公募しています。たとえば弁護士や弁理士など。3つ目のルートは大卒ですね。大卒を採用する場合は、工学と法学の両方を学んでいることが必要です。

 

――自身も両方勉強した?

 最初に工学部を出て、大学院で法学を勉強しました。

 

――なぜ院で法学を? すでに今後は知財が重要になると予想していたのですか?

 そうです。中国では知財に関する人材の需要が増えるとみていました。中国経済の発展には知財が重要だと考えたんです。当時政府も、知財関連の様々な新しい政策を重視していたし、私自身はビジネスにとても興味がありましたが、当時、中国の企業が特許のトラブルで裁判を起こされて負けた、という報道も読みました。

 

――中国も安い労働力より、独自の技術を重視してビジネスをしていく時代になると?

王 安い労働力だけではなく、特許や技術力を高めなければ発展はできない。私はこういう認識を比較的早めに持ちました。大学を卒業した時、引き続き工学を学ぶ選択肢もありました。ただ、これからは必ず、知財に関する仕事の前途は明るいと考えました。当時はいわば、夜が明けようとする暁の段階だった、と言えるでしょうね

 

――ライバル企業の動きをどう評価していますか?

 私からみれば、たとえば韓国の企業はまず「守り」が主だと思います。欧州やアメリカの企業はもっと、市場シェア拡大に知財を積極的に利用しています。

 

――日本のライバル企業についてはどう評価していますか?

 気持ちとしては、我々や華為は特許の出願も多く、知財への取り組みは日本企業とそれほど変わらないし、ある面では先を行っているとも思いますね。

 

――華為技術については?

 尊敬すべきライバルです。業界ではこんな言い方があります。華為がなければ中興も存在できない、中興がなければ華為も存在できない、と。

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