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現在の日本の特許法は1959年に公布され、今年で50歳になる。激動する経済情勢に合わない面が目につくようになり、1月に発足した特許庁の特許制度研究会で、2年後の法改正に向け議論が進む。
日本政府も近年、特許を強く保護するプロパテント政策をとってきたが、特許法の見直しにあたっては、「特許権の保護強化を一辺倒で進めるより、本来の目的である技術革新を重視する方向」(特許庁幹部)だという。

企業は「選択と集中」の中で、使わなくなった特許を売却する必要が出てきた。しかし、特許法は売買が頻繁に起きるとは想定しておらず、特許の「流動化」の時代に十分に対応できなくなっている。
また、特許が売買された場合、前の権利者からライセンス(使用許諾)を受けて事業をしていた企業が、新しい権利者にライセンスを打ち切られたら、事業が止まってしまうという問題もある。
このため、ライセンスを適切に保護する新しい仕組みが求められている。
いまの特許法では、ライセンスを登録しておかないと、新しい特許の取得者に対抗できないが、使い勝手が悪く、実際に登録している企業は少ないと言われているからだ。
ライセンスを企業同士が与え合う「クロスライセンス」にも、特許法は十分に対応していない。企業合併・買収(M&A)や倒産に伴って、クロスライセンスがどう処理されるのかなどは、未解決の論点だ。
中小企業が銀行に特許を信託し、銀行が特許の管理をしたり、ライセンスを与えたりする「知財信託」の手法も生まれ、特許活用の幅広い検討が必要になっている。 特許紛争が増えるなか、ライバル企業を牽制する目的で特許権の取得合戦も起
きている。企業の「軍拡競争」ともいわれる現象だ。迅速で効率的な紛争解決法を含め、特許と経営コストの解決も、特許法改正の背景にある重要な課題の一つだ。
(文中敬称略)
都留悦史(つる・えつし)
72年生まれ。
整理部などを経て産業・金融グループ記者。
稲田清英(いなだ・きよひで)
72年生まれ。
経済部などを経てソウル支局員。
竹内幸史(たけうち・ゆきふみ)
56年生まれ。
編集委員などを経て
GLOBE記者。
Andy Friedman
(アンディ・フリードマン)
75年生まれ。
「ニューヨークタイムズ
マガジン」などで活躍。