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新たなプレーヤーたちも走り出した

[Part1] 「電池元年」、勢い増す投資競争(1)

一にも二にも電池のせい――。純粋な電気自動車が普及しない原因は電池にあると言われてきた。高価で、かさばって重くて、出力が弱い。ガソリン車に慣れている利用者を満足させるには、ほど遠かった。だが、状況はここにきて大きく変わりつつある。

GSユアサが製造するリチウムイオン電池。ハイブリッド用は、電気自動車用より少し小さくなる見通しだ=高橋万見子撮影
GSユアサが製造するリチウムイオン電池。ハイブリッド用は、電気自動車用より少し小さくなる見通しだ=高橋万見子撮影

「電池元年」。業界関係者は、2009年をそう位置づける。
この春、ジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)は滋賀県内に約2000台分、電池にして20万個の生産能力をもつラインを敷設した。日産自動車も神奈川県内に5万台分のラインを確保する。三洋電機は徳島県で、2万台分の生産ラインを完成させた。

とりわけ各社が力を入れているのが、リチウムイオン蓄電池だ。従来のニッケル水素電池に比べ、高出力で大容量。小型化、軽量化もしやすく、携帯電話などではおなじみだ。自動車用に大きくすると、安全面に不安があったが、実用化のめどが立った。

とはいうものの、社によって「実用化」の方向は大きく違う。
電池はマンガンなどの正極材と、炭素系の負極材、それらを分けるセパレーター、電解質と四つの材料を重ねてつくるのだが、日立グループでは「円筒型に巻くんです」と言われた。「それが電池には、最も自然な形です」

GSユアサでは「熱がこもりにくいよう面積を広くすることが大事。だから、四角く巻くんですよ」。
日産に聞くと「巻かずに重ねていく方式が一番。ずれにくいし、合わせた形の自由度が大きくなります」。

リチウムイオン電池と一口に言っても、構造はさまざまだ。具体的にどんな材料をどんな組み合わせでつくるかは、企業秘密の中核になっている。

工場で実際に見たい、と自動車メーカーや電池各社に頼んでみたが、ことごとく断られた。
「役員でも見たことがあるのは5人いるかいないか」(トヨタ)
「設備メーカーにも全容がわからないよう、ラインを分割して発注しているんですよ」(三洋電機)
日産では「秘密でない部分でいいから」と食い下がってみたが、「1カ所を10分見ていただくだけでも、周囲を隠すのに3時間ぐらいかかってしまうので」。
記者がみても細かいノウハウがわかるはずもないが、最先端の技術競争に各社は神経をとがらせる。

[文中敬称略]

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