Editor's Note 編集長から

難民と経済






今号の特集を企画したのは、昨年秋。ドイツのメルケル首相がシリアからの難民受け入れの意向を示し、注目が高まっていたころでした。人道的立場だけでなく、労働力不足への対応という面もあるといわれており、その狙いと日本への含意を見極めたいと考えました。


取材チームが準備を進めるうちに、状況は大きく動きました。杉崎記者がドイツ現地を訪れた際には、「メルケルは辞職しろ!」と叫ぶ受け入れ反対派の大規模デモも繰り広げられ、緊迫したムードだったといいます。


とはいえ、その状況下でも経済に難民を「役立てる」という動きは続いています。人道的問題で「自国の利益のため」というと邪道にも見えますが、コストを吸収して持続可能な受け入れを探るうえでは、必要な視点でしょう。


難民問題にどういう立場をとるのか。今後も各国で激しい議論が続くことは必至です。この特集が、それを読み解く手がかりの一つになればと思っています。



(今回の特集は「難民6000万人時代」です)

世界のどこかで、日本の明日を考える 朝日新聞グローブとは?