Editor's Note 編集長から

[自転車とものづくり]





子どもから大人まで、生活の足として親しまれてきた自転車。今号の特集でも紹介したように、「工業製品」としても興味深い存在です。


『東アジア自転車産業論』(渡辺幸男ら編著)という研究書に、次の記述があります。「自転車は、多数の部品から構成され、多様な近代工業における要素技術の存在を前提にして、はじめて一定水準の製品として、品質と価格両面での競争力を持ちえる製品である」


欧米から日本、台湾そして中国へという生産地の変遷。高性能な部品づくりでの生き残り。「電動アシスト」といった新しいアイデアの可能性――。日本のものづくりが、グローバル化の中でたどってきた道筋を、典型的にあらわしているようにも思えます。


「消費者」としては、自転車通勤に何度か挫折したこともあり、最近、乗る機会が減っていました。でも、各記者の報告を読んで、緩い下り坂をのんびり走るときの心地よさが、少しよみがえってきました。



(今回の特集は「自転車にのって」です)

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