Editor's Note 編集長から

[大学は入ったけれど]





昭和初期のサイレント映画「大学は出たけれど」(1929年)は、のちに「東京物語」で世界的名声を得た小津安二郎監督が、若いころに手がけた作品です。


主人公は大学を卒業したけれども、職が見つかりません。故郷から母親が婚約者を連れて上京します。仕事がないとも言えず、働きに出るふりをして、子供らと野原で遊ぶ毎日です。


生活費のために新妻がバーに勤めたりしますが、最後は主人公の就職でハッピーエンド。世界不況の時代です。同世代の数パーセントしか最高学府に進みませんでしたが、卒業生の4割が就職できませんでした。


それでも大卒は当時はエリートですから、経済が回復さえすれば道は開けました。若者の半数が大学に進むいま、ひとびとは大学に何を期待するでしょうか。「大学は出たけれど」より前に、「大学は入ったけれど」、いやそもそも、なぜ大学に進むのかが問われます。


ここ数年、大学をめぐってめまぐるしい動きがあります。ビッグバン状態にある大学の世界を特集しました。


(今回の特集は「大学ってなんだ?」です)



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