Editor's Note 編集長から

[運命の出会いを図書館で]





宮崎駿監督の長編アニメ「耳をすませば」は、図書館がひとつの舞台です。ヒロインは中学3年生。夏休み中に本20冊を読もうと張り切っています。ところが、彼女が借り出す本は、貸し出しカードをみると、いつも同じ男の子がすでに借りているのです。その子との思いがけない出会いから、物語が動き出します。


かつては図書館から本を借りるには、自分のカードに本の題名を書き、本についている貸し出しカードに自分の名を書き込むのが一般的でした。バーコード導入前の仕組みです。


デジタル時代の図書館の変容ぶりは、特集で詳しくお伝えしましたが、これから人と本とのつきあい方はどうなるでしょうか。いくら技術が発達しても、そこには合理性では割り切れない運命的なものが残るような気がします。


人生は有限で、私たちが手に取る本にも限りがあります。でも振り返ると、悲しいときに慰めてくれた本、苦しいときに励ましてくれた本があり、本について語りあった友がいました。図書館には、そんな出会いを提供する場であり続けてほしいのです。



(今回の特集は「図書館へ行こう」です)



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