Editor's Note 編集長から

[避けられない問い]





今回は原子力発電所での「廃炉」という少し重たいテーマに取り組みました。


原発をめぐっては、様々な立場があるでしょう。しかし、主要な電源として今後も原発に頼り続ける場合でも、原子炉には寿命があります。一方、脱原発にかじを切るとしても、今ある原発をどう安全に管理し、解体するのかという問題は避けられません。「廃炉の時代」は、目の前の現実なのです。


英国の政治哲学者アイザイア・バーリンは、20世紀を形づくった要因を二つあげています。ひとつは全体主義やナショナリズムなどのイデオロギー。もうひとつが、自然科学と技術の発展です。核エネルギーはその最たるものです。イデオロギー同様、それをコントロールできるかに21世紀の命運はかかっています。


特集で紹介したノルウェーでの議論が示すように、廃炉を進めるにあたっては、心理学や教育学、さらには哲学も導入して文明のあり方を問い直す作業も必要になるでしょう。私たちは「廃炉の時代」のほんの入り口に到達したばかりなのです。



(今回の特集は「廃炉の時代」です)

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