Editor's Note 編集長から

[最初に世界一周した日本人]




大海原をこえて最初の世界周航をなしとげたのは、16世紀初頭の航海者マゼランの船団でした。スペイン王との契約で西回り航路の開拓に向かった彼らのうち一隻が、3年をかけてスペインに帰り着いたのです。


では、最初に世界一周した日本人はだれでしょうか。それは、歴史上ほとんど無名の漂流民たちでした。1793年、宮城県石巻から江戸へ米を運ぶ千石船「若宮丸」が嵐にあい、翌年アリューシャン列島に漂着しました。乗組員はサンクトペテルブルクに送られ、うち4人が、鎖国日本との通商を求めるロシアの使節に伴われて、西回りで長崎に送り届けられたのです。漂流から11年後のことでした。


日本の四方を取りかこんでいる海は、日本を外の世界から切り離すと同時に、世界につながる回路でもあったのです。?しかし、その海が、いま国家主権によって細かく区切られ、覇権や資源をめぐる争いが続いています。海洋国日本は海とどう向き合うべきなのか。あらためて考えてみようと思い、特集を組みました。


(今回の特集は「海の境」です)

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