Editor's Note 編集長から

[ペーパー・チェイス]

米国がイラク戦争への道を突き進んでいたころ、戦争は必要だと唱えていたワシントンの有力者が言いました。「国際政治の基本はペーパー(国際法)ではなくパワーだ」


当時のワシントンには、国際法にかかわる合意文書の山を、蔑みを込めて「ペーパー・チェイス」と呼ぶ人々がいました。元々は猛勉強とか山のような書類を調べるという意味なのですが、「悪者退治」に国際合意はあてにならないという考えがそこにありました。


この対極にあるのが、今号の特集で小和田恆前ICJ所長が語っている「ソフトパワーとしての国際法」でしょう。ICJの判決までに15人の判事全員がまとめる見解は、大変な量になるそうです。領土から環境まで、書類の山と格闘する法廷の姿は、「ペーパー・チェイス」の揶揄とは無縁の世界だと思いました。


次号から編集長が代わります。これまで、様々なご批評やご叱責をありがとうございました。多彩な問題と格闘する「ペーパー(新聞)」であるGLOBEを、引き続きよろしくお願い致します。


(今回の特集は「国際司法裁判所(ICJ)」です)

西村陽一編集長

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