Editor's Note 編集長から

[ドイツの強さ]

1990年代、ドイツのコール首相とロシアのエリツィン大統領はサウナをともにするほど仲のいい友人でした。エリツィンは政治的な危機に直面するたびにコールに相談していました。


「あれはべたべたした情緒的な間柄ではない。両国の意思を体現した、すぐれて現実的な関係ですよ」。ドイツ外交を研究していた日本の外交官からそう聞いたことがあります。実際、二人の関係はNATO拡大などの難問の処理に大きな役割を果たしました。


ドイツと言えば「シュミットとジスカールデスタン(仏)」「シュレーダーとプーチン(露)」の関係も有名です。特集で取り上げたメルケル首相もフランスのサルコジと「メルコジ」と言われる関係を結びました。


ただ、他国首脳とのパイプだけにとどまらないドイツの強さを感じる時があります。「私が恐れるのはドイツの力ではない。むしろ彼らが何もしないことの方を恐れる。ドイツは欧州になくてはならない国だ」。かつてナチスに破壊、蹂躙されたポーランドの閣僚の言葉です。


(今回の特集は「知られざるドイツ」です)

西村陽一編集長

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