Editor's Note 編集長から

[コーヒー党のお茶の旅]





モスクワに留学していたとき、ロシア人家庭にホームステイしました。ソ連崩壊の翌年で食糧事情の悪いころです。それでも、毎日の紅茶には小皿に盛られた自家製ジャムがいつも添えられていました。日本でおなじみの「ロシアンティー」とは違い、ジャムをなめながら飲むのがロシア式と教えられました。


中国で暮らし始めたころ、あるお宅で文字通りの白湯が出てきたのには驚きました。しかし、この国の一般家庭や大衆食堂では昔からよくあることだと知りました。


もちろん、お茶発祥の国、中国のこと。自分の研究室に立派な茶器をそろえ、お茶を何回も入れ直しながら議論に応じてくれた大学教授も少なからずいました。杭州を訪ねた際は地元記者に名勝・西湖のほとりの茶楼に招かれ、満月を眺めながら龍井などのお茶を味わったのも、かの国ならではの体験でした。


米国駐在時代はスターバックス専門でしたが、さまざまな国で再発見したお茶の味が、コーヒー中毒だった私の食生活を少し豊かにしてくれています。



(今回の特集は「お茶、再発見」です)

西村陽一編集長

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