Editor's Note 編集長から

[国を出る理由]

先日、米国のいくつかの新聞社を訪ねました。技術部門やデジタル部門の中枢ポストを占めていたのはインド出身者が多く、社員食堂ではインドから来た若いITスタッフたちのヒンディー語が飛び交っていました。


インドより米国移民願望が強いのが中国です。たとえば、妊婦が観光ビザで米国に渡り米国市民権を得た赤ん坊を抱いて帰国する出産ツアー。子どもの将来のため出生時から米国移民の布石を打っておこうという親は、富裕層から中間層へ広がっているそうです。


中国の官僚の4割は妻子を米国やカナダなどの海外に移住させてもいいと考えている。そんな調査結果を読んだことがあります。家族と資産を一足先に外国に送り出す汚職公務員は中国で「裸官」と呼ばれていました。


己の才能を生かし、好機をつかむため。自国の将来を悲観し、リスクを分散するため。世界を見渡せば出国の理由はさまざまです。今号の特集を読むと、日本でもこれまでとは違う多様な「出・日本」の動機が生まれていることに気付かされます。


(今回の特集は「脱ニッポン」です)

西村陽一編集長

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