Editor's Note 編集長から

[「豚肉王国」と「牛肉王国」]

南部鉄瓶と和牛が大好きだという中国人の若手経営者と会いました。鉄瓶の収集に続き、和牛も手がけようと牧場づくりを計画しましたが、「中国ならやはり豚」。結局、高級ブランド豚の養豚を始めたそうです。中国では有害物質入りの粉ミルクや薬品漬けの「豚肉禍」などの事件が続くだけに、富裕層には食の世界でも高級ブランド志向が顕著なのでしょう。


米国で暮らしていたころは、取材先の家族を招いてよくバーベキューをしました。中国が豚肉王国なら米国は牛肉王国とずっと思いこんでいましたが、今号の特集で、実は鳥肉の消費量が牛肉を上回っていることを知りました。こちらは健康志向の影響でしょうか。


爆食国家・中国と肥満大国・米国。時代とともに肉への嗜好は変わりつつあるようですが、その動向は国際政治と同様に、世界の食糧事情に大きな影響を与えます。人類が肉を食べられなくなる日が訪れるとは思えませんが、今号の特集でも指摘したように、市場の透明化や公平な配分など課題は少なくありません。


(今回の特集は「肉食グローバリゼーション」です)

西村陽一編集長

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