Editor's Note 編集長から

[時の流れに重ねて]

モスクワ勤務当時、ボリショイオペラ「アイーダ」に魅せられ、舞台のエジプトを訪ねました。今号の特集で紹介したナイル川クルーズも体験しましたが、船上仮装パーティーなどの合間に、時が止まったかのような川面をゆったりながめたひとときのことは今もよく覚えています。


あのころに感じたナイルの流れと対照的なのが、この地域を覆う政治とメディアの激流でしょう。先日、中東とアフリカのマスコミ幹部の話を聞く機会がありましたが、アルジャジーラの記者曰く「アラブの春のころは6万件以上のビデオ投稿がありました」。


南アフリカ紙の幹部は「アフリカではいずれ携帯の普及率が家庭の電気普及率を上回ります」と断言していました。「オンライン上の使用言語の伸び率No.1はアラビア語」。そう教えてくれたのはヨルダンのメディア経営者です。


もちろん、変容はメディアの光景だけにとどまりません。革命後のエジプトや大虐殺の打撃から復興するルワンダからの報告を読むと、単色になりがちなこの地域のイメージが変わってくるような気がしました。


〈96号特集 ナイルを下れ〉はこちらから

西村陽一編集長

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