Editor's Note 編集長から

[ウクライナで]

ウクライナで開かれた世界新聞大会に出席しました。欧米メディアの社長や編集局長らが、最新鋭のIT技術を駆使したデジタル新聞づくり、紙とウェブを完全に統合した編集体制、ソーシャルメディアの活用例などを次々に説明しました。ナミビアの新聞社の幹部は「自分たちが時代遅れの恐竜になった気分」とつぶやいていましたが、私も同じ印象でした。


ただ、最先端を追い求める時、私たちには原点を確認したいとの思いも生まれます。命をして権力と麻薬カルテルの癒着を暴いたメキシコの女性記者が「死にたくない。けれど、口を閉ざしたまま生きることは死も同然だ」とスピーチした時、全員が立ち上がり大きな拍手を送りました。デジタルの激流の中だからこそ大切にしたい報道の原点を感じたからでしょう。


今号の特集は「人工知能」です。取材陣は機械の「知」の可能性を求め、世界の最先端の研究開発現場を歩きました。このテーマもまた、人の知恵や知識、考える力とはそもそも何か、という根本的な問いを迫っているように思えました。


〈95号特集 人工知能〉はこちらから

西村陽一編集長

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