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映画クロスレビュー

『ローサは密告された』/ 生き抜くヒロイン カンヌ女優賞

[第130回]



Review02 クロード・ルブラン 評価:★★★★(満点は★4つ)


貧困と腐敗に挑む意志


混乱した社会の末期には、警察組織があらゆる階級で腐敗する。フィリピン人のブリランテ・メンドーサ監督は何年も前から自らの国の混乱を描いてきた。そこに込めるのは、社会の発展を妨げるシステムの告発。警察の腐敗を描いた今作でも、監督は自分の思いに背かなかった。


粗悪なテレビドキュメンタリーのように粒子の粗いフィルムを使ってスラム街で撮影された映像は、観客を力ずくで悲惨な現実に引きずり込む。主演のジャクリン・ホセの見事な演技を見れば、その現実から逃げ出すことができなくなる。


貧困と下劣さに立ち向かうホセの姿は胸を刺す。彼女の闘いがどうにか実を結んで、フィリピンが混沌から抜け出せれば。見ているうちにそんな夢を抱くようになる。



Claude Leblanc

1964年生まれ。フランスのジャーナリスト。仏クーリエ・アンテルナシオナル誌編集長、ジューヌ・アフリック誌編集長などを経て、ロピニオン紙アジア部長。

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