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映画クロスレビュー

ハリウッドでリメイクも決まった『ありがとう、トニ・エルドマン』/風変わりな父と娘の交流

[第129回]



Review02 クラウディア・プイグ 評価:★★★(満点は★4つ)


家族のあり方 巧みに描く


観客ははじめ戸惑うだろう。3時間近い長尺で、落ち着いて見ていられない場面もいくつかある(明らかに意図的だが)。でも、見続ける価値がある。父と娘の独特のキャラクターや、家族の絆を巧みに描いて見る者を飽きさせない。


登場人物の人となりをこれほど多面的に表現したオリジナル作品は近年めったにない。案の定、米国版リメイクの話が進んでいるが、見終わった後も心に残る、風変わりで非常識な役を演じられるのはジモニシェック以外に考えがたい。


アデ監督は父と娘の物語に、欧州の企業のあり方や職場での女性蔑視、現代の暮らしがいかに慌ただしいかについて、手厳しい批評をまぶしている。観客は次第に、家族のありようや企業文化について多くを語る作品なのだと気づくだろう。



Claudia Puig

ロサンゼルス映画批評家協会会長、米公共ラジオNPRの映画番組解説者。米紙USA Todayで2001~15年に主任映画評者を務めた。

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