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私の海外サバイバル

工事始めたら不発弾が出現@コロール(パラオ)

[第138回] 塔野太

飛島建設 パラオ現地マネジャー

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水道管新設工事の現場に立つ日本人の同僚(写真はいずれも塔野さん提供)

パラオは南太平洋に浮かぶ小さな島々からなる国で、フィリピンの東、グアムの南に位置します。サンゴ礁に囲まれて、透明度の高い海と豊かな生態系を有し、観光業が盛んです。人口はわずか2万人で、その8割以上はコロール州に暮らしています。とは言え、日本の小さな町のようなこぢんまりとした雰囲気です。私は最大都市の同州コロールに近いマラカル島に住んでいます。


この国は、第1次世界大戦に参戦した日本が1914年に占領し、第2次世界大戦の終戦まで約30年間にわたって統治しました。2015年4月には天皇・皇后両陛下がパラオを訪問。成田空港からの直行便もあり、日本からの観光客も多いです。

水道管新設工事の様子


私は16年6月にパラオに着任し、日本の無償資金協力援助による水道管新設工事プロジェクトをマネジャーとして指揮しています。アスベストの水道管が老朽化して漏水率が50%となっていて渇水期に十分な水量を供給できない深刻な状況になっており、これを取り換えています。日本人の同僚1人とフィリピン人、現地スタッフら10人と一緒に仕事をしています。


一番思い出に残るのは、工事を始めて2カ月目のこと。地中から不発弾が見つかり、その対応策が決まるまで工事中断を余儀なくされたことです。不発弾は旧日本軍が米軍の上陸を防ぐため、投下爆弾を上下逆さまにして地雷代わりに埋めたものとされています。下手をすれば付近住民を巻き込んだ大惨事になるところでした。

工事中に不発弾が見つかったことを報じる地元紙1面


工事を長期中断して不発弾処理団体による調査をするべきだとの主張も出て、一時は事業存続も危ぶまれました。しかし、処理団体が30センチごとに調査をし、その後に私たちが掘削するという工程を交互に繰り返す方法を採ることで、工事の遅延を最小限に抑えることができました。その後も不発弾は10カ所で見つかったのですが、すべて処理団体が発見し、爆発を起こさずに済みました。見つかった不発弾は、ほとんどが砲弾でしたが最大で520キロのドラム型のもの1個もあり、計80個にもなりました。


また、パラオには幹線道路が1本しかなく、工事のために片側1車線の幹線道路が渋滞し、副大統領から呼び出されて注意を受けたこともあります。人口は多くないのですが家族一人ひとりがそれぞれ自家用車を持っているような状況で、車は少なくないのです。


Futoshi Tono

塔野太 とうの・ふとし/1966年、福岡県生まれ。熊本大学で土木工学を学び、90年に飛島建設に入社。2016年6月からパラオのプロジェクトマネジャー。



(次ページへ続く)

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