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私の海外サバイバル

コーヒー農園、私の理想郷@グジ(エチオピア)

[第136回]浅野文章

メタッド農業開発社員

METADは新しい会社ですが、いま私のボスとなった最高経営責任者(CEO)は、国の主力産業であるコーヒーの質を良くして価格を上げ、地域社会に貢献しようという高い企業理念を持っている人物です。従業員にも他社より多く賃金を払っています。この経営者が展示会で来日した時、東京に会いに行って、ぜひ生産地を見学したいと直談判しました。

グジにあるコーヒー農園、浅野文章さん提供

「アサノ・コーヒー」は畳んで、2014年のおわり、このコーヒー農園を訪れました。従業員の仕事のやり方を見ていると、すぐ固まっておしゃべりをして、効率が悪い。思わず彼らの間に割り込んで、身ぶり手ぶりで手を動かせながら、一緒になって働きました。そういうコミュニケーションは得意でして、従業員も笑って受け入れてくれました。それを見ていたボスに気に入ってもらえて、翌日からここで働くようになりました。


言葉はできませんでした。日本から中学3年間分の英語の教科書を持って行き、毎日、音読しました。うまく英語が通じなくても、ボスは「私たちも日本語ができないから、謝るな」と言ってくれます。日常会話は何とかなるようになり、あとは仕事に必要な専門用語などを勉強しています。


心から尊敬できる経営者に出会い、人々に必要とされ、これまでの人生で、ようやく自分の居場所を見つけたと感じています。食べ物や暮らし方が良いのか、体も健康になりました。これまでの経歴はいま、すべて生かされています。ここに来るために、いままでの人生があったのだと思えてなりません。一生、ここで暮らしたいと思っています。ここが私にとっての「イーハトーヴ」(理想郷)なのです。


Fumiaki Asano

浅野文章

あさの・ふみあき/1967年、大阪府堺市生まれ。2014年からエチオピアMETAD社でコーヒー栽培や販売に携わる。



(次ページへ続く)

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