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Breakthrough 突破する力 大リーグマーリンズ投手 田沢純一が日本飛び越え大リーグへ導いた「マイナス思考」

日米野球の違い乗り越えて

Photo: Toyama Toshiki

そんな田沢も、日米の野球観の違いには戸惑った。試合では初球のサインは決まって直球。打者が待っていても、だ。「どうして?」と聞くと、首脳陣はヒットやファウル、見送った数などを数字で示してくれた。変化球でカウントを悪くすると、打たれるケースも多くなる。最終的には「失敗してもいい。打たれたらチームの方針が悪い」と説明を受け、納得した。


開幕から4カ月後には、ヤンキース戦で大リーグ昇格。延長十四回、迎えた最初の打者は松井秀喜だった。「テレビで見ていた人」を中直に打ち取り、大リーガー人生が始まった。


2年目に右ひじの腱(けん)を移植手術。孤独なリハビリを経てメジャーに定着した。13年、抑えにつなぐ役割を任され、強打者に真っ向勝負を挑むスタイルでワールドシリーズ制覇に貢献。デニーは「勝利の方程式の一人として、レッドソックスの歴史にずっと名前が残る」と誇りに感じている。16年オフ、田沢はレッドソックスからフリーエージェント(FA)となり、マーリンズと2年総額1200万ドル(約13億6000万円)で契約した。


移籍後1年目の今季、日本人で初めて5年連続50試合登板の快挙を成した。それでも浮つくことはない。「イチローさんは200安打を10年以上も打っている。今は、どうしたら自分が良くなれるのか。その積み重ねだけなんです」


自信はない。だからこそ、毎日、毎試合、どう成長できるのか。その追求が、田沢を突き動かしている。


(文中敬称略)



(次ページへ続く)

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