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Breakthrough 突破する力 伝統と冒険 平尾成志が育む「BONSAI」というアート

 

海外に「逃げている」のか?



一方、日本から盆栽を輸入する現地の業者に言われた言葉は、胸に突き刺さった。「渋谷や新宿で若い人に『盆栽』と言っても、なんで知らないんだ? まず、そっちをどうにかしろ」。「海外に盆栽を広めると言っていたが、単に、日本の現状が嫌で、海外に逃げていただけかもしれない」。目が覚めた。


昨年香川県などで開かれた「瀬戸内国際芸術祭」で、平尾は地元のクリエーター集団「瀬ト内工芸ズ。」と盆栽を使ったプロジェクトを企画した。古民家の庭を瀬戸内海に見立て、座敷に砂を敷き枯山水に。映像や音楽も絡めた空間アートにした。「瀬ト内工芸ズ。」の村上モリロー(39)は「盆栽の現状を変えたい彼と、地方でデザイナーが活躍できるとアピールしたい僕らの化学反応が起きた」。大勢の島民が訪れ、「盆栽ってええね」と言ってくれた。平尾が、何よりうれしかったことだ。


挑戦は続く。昨年5月には、さいたま市内に盆栽園「成勝園」を開いた。自己資金に加えて融資で資金を調達したが、予想以上にお金がかかり、軌道に乗せるのはこれから。園では、盆栽の将来を担う若者も育てていくつもりだ。


次の夢は、20年の東京五輪・パラリンピックだ。「開会式でパフォーマンスをしたい」。まだ、足がかりはない。でも「ほんまに出てやろうと思ったら、かなうんじゃないかな。そのステップまで盆栽を押し上げたい」(文中敬称略)



(次ページへ続く)

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