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Breakthrough 突破する力 伝統と冒険 平尾成志が育む「BONSAI」というアート

5年の修業を終えた平尾は09年、園を巣立ち、師匠の言葉を胸にスペインに旅立つ。「業界は衰退していっているのに、解決策を見つける努力をしていないように見えた。自分が何もできずにいるのも、不安だった」。未知の場所で自分の腕が通用するか知りたい。現地の愛好家の盆栽を世話するはずだった。


だが、いきなり出ばなをくじかれる。英語が苦手だった平尾は、経由地のオランダの空港で入国審査官に質問攻めにされ、しどろもどろに。ソフトモヒカンで赤い革ジャン、という装いも影響したのだろうか。結局、理由も分からぬまま入国拒否され、日本に帰国した。「大こけ。僕がなめていたんでしょうね」


盛大な送別会で送り出された手前、引き下がれない。友人に助けてもらい、先方と英文でのメールをやりとり。徹夜でスペイン語を学んだ。2週間後、無事入国。覚え立ての言葉と、「お酒、あとは関西人の強みのボディーランゲージで交流した」。


帰国後、海外での仕事が入り始める。自ら人脈を築き「場」を作るやりがいを感じた。平尾の代名詞となったパフォーマンスも、欧州生まれだ。海外では盆栽の制作過程を見せる実演が好まれる。だが、数時間かけて技術を披露するため、愛好家でも最後まで見ない人がいる。「知らない人でも楽しめる方法はないか」。11年に訪れたイタリアで通訳とも相談。翌年、クラブやカフェで時間を縮め、音楽とともに実演してみた。バンド目当ての客がざわつき、一斉にスマホが自分を向く。手応えを感じた


(次ページへ続く)

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