RSS

Breakthrough 突破する力 [No.185]山川博功/Yamakawa Hironori



「新興国のAmazon」目指す

パソコンが並ぶ社内。電子商取引のシステム構築には多額の投資をしてきたという。
photo: Semba Satoru

山川に商売の厳しさを最初に教えたのは母慶子(68)だった。福岡県内で美容室を開き、今も働き続けている。週1日の休日にも講習に行き腕を磨く母の姿に、「働くとは、お金をもらってお客さんに納得してもらうとはどういうことかを学んだ」と山川。慶子も「あの子は他人にも自分にも厳しい。私に似ているかもしれない」と言う。


山川はよく、「具体的にやってみることだよ」と口にする。妻百合子が好きな詩人、相田みつをの言葉にちなんだその言葉通り、社員のアイデアもよければ即座に採用し、任せる。


モンゴル出身のホロルジャブ・ガルエルデネ(32)は入社してすぐに、モンゴル市場の開拓を提案。4年で0台から月間800台を輸出するまでに飛躍させた。事業の進め方や新サービスについて「社長に提案して断られたことはない」という。


「世界中に『仕掛け』をちりばめている」と山川。アフリカ東部の未承認国家ソマリランドの現地紙に広告を出したこともある。いま仕掛けているのは、各国に広げた自動車の陸送網の活用だ。「目指すのは『新興国のAmazon』」と将来像を語る。車の部品や重機などから始め、さらに様々な商品を、日本から世界に送ろうともくろんでいる。


(文中敬称略)



MEMO

上・学生時代からのめり込んだ自動車レース。社会人になってからもしばらく続け、レースに出場した。

下・タンザニアのスタッフたちと山川。

スマホ…ビィ・フォアードがアフリカの国々で人気の理由の一つが、車が到着するまでの間、どこにあって何の手続き中なのか、スマホで逐一確認できる点だ。在日マラウイ大使館の参事官スティーブン・モズィは「アフリカの人は大金を振り込んだら、本当に車が届くのか気が気じゃない。その不安を解消してくれた」と話す。


社員…会社を急成長させた裏には、営業努力もある。取引先の接待に連れていっても恥ずかしくないよう空いた平日には社員を飲みに連れて行きマナーを教える。「僕らエリートじゃないんで、そういうところ大切にします」。毎年1回、全社員を連れて海外旅行に行く。


社名…明治大学出身でラグビーファン。社名は、明大ラグビー部を長年率いた元監督の故北島忠治の言葉「前へ」からつけた。


文と写真


文・高橋友佳理

1982年生まれ。GLOBE記者。2014年に初めて取材したとき、外国人社員が多く驚いた。


写真・仙波理

1965年生まれ。朝日新聞東京本社カメラマン。アフガン、イラク戦争などを取材。


この記事をすすめる 編集部へのご意見ご感想

  
ソーシャルブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加

Popular article | 人気記事

さらに記事を見る
Facabookでのコメント

朝日新聞ご購読のお申し込みはこちら

Information | 履歴・総合ガイド・購読のお申込み

Editor's Note | 編集長から

PC版表示 | スマホ版表示