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[No74] 井原慶子/Ihara Keiko

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砂まじりのほこりっぽい風を感じながら、井原慶子(38)は、アストンマーチンのアクセルに足をかけた。4.7リットルのV8エンジンが低い音をたてる。


合図とともに、5クラス、計78台の車がスタートを切る。井原は周りの車の位置を素早く確かめ、アクセルを踏み込んだ。


1月12日、ドバイ24時間耐久レース。2年の空白をへた復帰戦の舞台は、砂漠のすぐ近くにある憧れのサーキットだった。


井原は世界で数人しかいない女性トップレーサーの一人で、欧州やアジアの各地を転戦している。男性レーサーに交じり、ときに時速320キロで駆け抜ける。コーナーでは体重の約4倍もの力が横からかかり、脳への血流が減って意識が遠のきそうになる。一瞬の判断の遅れがスピンやコースアウトにつながる。命がけの世界だ。


かかっているのは、井原の命だけではない。開発から維持まで、1台数億円ともいわれる金もつぎこまれている。


ドバイでは、同じクラスの20台中13位。チームの男性レーサー3人と交代で運転して完走し、初の24時間レースで大きな自信をつかんだ。


免許のない女子大生

大学時代、スキーサークルの合宿費用をつくるためモデルのアルバイトを始めた。ある日、レースクイーンの仕事が舞い込む。水着にハイヒールという格好で、生まれて初めてサーキットに立った。衝撃だった。


「音、スピード、すべてが非日常だった。チーム全員が生死をかけていた。こんな世界があるなんて」


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