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Break-through 突破する力 堀 義人

「ビジネスの存在意義は金儲(もう)けですか? それとも社会貢献ですか?」
7月、軽井沢の小さなホテル。堀が学長をつとめるグロービス経営大学院の合宿をのぞいてみた。真っ赤なポロシャツ姿の堀は、二十数人の学生たちに、「直球」の問いを投げつけていた。

学生といっても、MBA(経営学修士)を取ろうとしている若手社長や商社マンらで、多くは30代。
金儲けとおおっぴらに言いにくいし、社会貢献ではうそっぽい。とまどう学生もいる。
堀の教えはこうだ。
「ビジネスは、社会貢献が第一の目的。売り上げ、利益は社会に対して価値を提供した結果、得られるものだ」

「教育者」とは別の顔もある。ベンチャー企業を中心に投資する400億円のファンドの責任者。世界を飛び回り、投資の大半は海外から集めてくる。
一見、畑違いにみえる分野も、堀の頭の中ではつながっている。リーダーの養成だ。不透明な世の中だからこそ、起業家を育て、資金面でも支援する。

父は原子力の研究者だった。幼少時には米国で、高校時代はオーストラリアに暮らした。京大工学部を出て入社した住友商事では、重化学プラント貿易に携わった。
会社派遣で留学したハーバード・ビジネス・スクール(HBS)で、価値観がぐらりと揺らぐ。

米国人の友人たちから「なぜ大企業に勤めるのか」と不思議がられた。新たなビジネスを立ち上げる起業家こそが社会を変革する原動力であり、かっこいい存在なのだ、と。

HBSでは、自らを企業の経営者の立場におき、どんな戦略をとるべきかを議論する。2年間で800以上の事例で学ぶ「ケース・メソッド」という学習方法では「あなたならどうするか」を、徹底的に考えさせられる。

28歳だった堀は、図書館の中庭の芝生で寝ころびながら考えた。
「このスクールはすごいな。こういうビジネススクールを日本につくれないだろうか」
学んでいる大学院自体を、起業対象として考える。堀の夢は、こうして生まれた。

(次ページへ続く)

自己評価シート

 

自分にどんな「力」が備わっているのか。何が強みなのか。編集部が選んだ10種類の力を提示したところ、上位の四つを独自の表現に差し替えた上で、自信のある順に並べた。

 

堀義人(ほり・よしと)グロービス経営大学院学長

1962年、茨城県出身。京都大学工学部を卒業し、住友商事に入社。91年、ハーバード大MBA。92年、グロービスを設立し、代表取締役に就任。99年、ベンチャーキャピタル会社(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。06年、グロービス経営大学院を開学。学長に就任。

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